丸庄建設3代目のブログ

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そもそも耐震等級3は安全なのか?

今日も構造のネタです。

そもそも耐震等級3は安全なのか?

耐震等級3の建物は建築基準法で定めらた強度の1.5倍の強度を持った住宅である。これは間違ってはいないのですが、1.5倍では過去に起きた震度7クラスの地震が起きた際には少し心許ないと考えています。

建築基準法では400ガル程度まで耐えることが基準になっているので、1.5倍の600ガルまで耐えられれば耐震等級3はクリアできます。

阪神淡路大震災は800ガル、熊本地震では約1600ガル、東日本大震災は約2900ガル、といったように実際に日本各地で起きている地震は基準法の遥か上の次元で揺れています。

耐震等級3は震度7で「倒壊しない」ことを前提に定められているので、これがギリギリのところで耐震等級3をクリアしていたりすると実際に震度7で揺れればかなりダメージを受けます。


どれくらい家が変形するのか?

地震が起きた際に、皆さんは家がどれくらい動くと思いますか?

5cm? 10cm? 30cm?

構造計算をすると層間変形角というものが分かります。柱の付け根に対して上部でどれくらい動くかが数値でわかるようになります。

例えば基準法では木造の場合の層間変形角は1/120以上と決まっています。準耐火建築物では1/150となります。

1階から2階までが約3mとすると、3000mm/120=で約25mm程が2階の床面でずれ動く許容値です。2階でも同様の検討をするので、単純に考えると1階から屋根面では約5cmが動く計算になるのはお分かりいただけると思います。

5cmか!意外と動いていないな!と思いましたか?

しかしこれは600ガルでの計算の話です。そして倒壊しない基準ですので、かなりの損傷を受けることは必至です。


耐震等級3を取得することが目的ではない

耐震等級3ギリギリの強度の場合、800~1600ガルで揺れたら変形量は何センチでしょうか?1600ガルだとしたら600ガルの2.5倍で考えても12.5cmは動く計算です。層間変形角1/24となり家の大部分で大破、内装や外装はもちろん、ガラスなども割れるくらいの揺れ幅となります。

ではどうしたらいいのか?

損傷を受けないためには1.5倍ではなく、最低でも2倍〜4倍程度までの強度を持たせる必要があります。

800~1600ガルでも層間変形角1/120以上とすることで、ほとんど損傷を受けない家となります。これは阪神淡路大震災や熊本地震でも1階から屋根面での変形量を約5cmに程に抑られる強度です。

大切なことは等級を取得することではなく、如何に変形量を抑えられるか。


制振ダンパーはお金の無駄

ミライエなどの制振ダンパー実験動画でも層間変形角は確認できます。装着時の変形量としては熊本地震本震で変形量約15mm、層間変形角としては1/200となります。一方の未装着実験台で変形量30mm程で層間変形角1/100となります。2回目以降は未装着実験台では実質倒壊となり、ミライエ装着時では変形量約30mmで層間変形角1/100程になるようです。

つまり2回目以降でも層間変形角1/100程度が保てるのか確認さえできれば、制振ダンパーを使う必要はないのです。これを確認する方法が唯一wallstatによる加振シミュレーションです。

wallstatが何者なのかは過去記事を見ていただくとして。

このように、どれくらい変形するのか、どれくらい損傷するのか事前に確認できなければミライエを使う事である程度の安心は買えます。しかしあまりにもコストパフォーマンスが悪すぎます。

変形量さえ分かれば高価な制振ダンパーなど使わなくともたった数万円で制振ダンパー以上の効果を得ることができるんです。


コストパフォーマンスが大切

ミライエなどの制振装置は、お金で問題を解決する方法です。それはこの厳しい時代の中で賢い選択肢ではありません。

現在、丸庄建設では熊本地震波の場合では層間変形角1/150~1/200程度で設計させて頂いています。これは一般的な構造計算では知り得ない数値です。wallstatを使えば各地震波での層間変形角が分かります。そして大抵の場合は阪神淡路大震災が最も損傷を受ける結果となります。その場合でも1/120となるよう設計しています。

これは通常の耐震等級3の基準の約2倍の強度となります。ここまですると、阪神淡路大震災で繰り返しの加振をしても大きな損傷を受けることなく、複数回にわたり軽微な損傷を受ける程度となります。


構造計算したから安全ではない

木造の構造計算では層間変形角1/120や偏心率0.3などクリアすれば計算上はOKとなります。しかし、それはあくまで倒壊をしない最低限の数値である事に注意してください。

木造住宅で損傷を受けない基準で考えれば層間変形角1/250~1/300、偏心率は0.1~0.05とする必要があり、これは間取りの制限をかなり受ける、言い換えれば構造によって間取りが決まるとも言えます。プランの段階で構造を考えなければクリアできないほど、木造住宅においては厳しい条件です。

SE構法でも層間変形角1/200をクリアするくらいの基準なので、SE構法よりも厳しい基準で設計しています。


結論

ここまで強くする必要はあるのか?

先ほども申し上げた通り、10万円もかからない数万円程度でそれが実現できるなら、実現した方が良いと思いませんか?

地震に強いということは台風にも強いですし、気密層破損の可能性を減らし、断熱材がズレる可能性を減らす事にもつながります。

という事で、耐震等級3は倒壊はしないので安全ではあるけれど、如何にお金をかけず損傷を受けないようにするかが大切であり、本当に高性能な家こそ、耐震が一番大切であると思います。


木造住宅を考える上で弊社の構造に関する見解は耐震等級3の遥か上の基準であり、岐阜ではもちろん全国的に見ても、コストパフォーマンスを考えるとこれ以上の強度を持たせる事が出来ないほどの基準にあると考えられます。

弊社の耐震基準は真似のできない計算技術と長年の耐震に対する経験から最もコストパフォーマンスに優れた耐震住宅であると言えます。

耐震住宅をお考えの方は是非お問い合わせください。