以前お引き渡しをさせて頂いた家の定期点検に行ってきました。

定期点検では主に水漏れの有無やクロスの割れ、ドアの建付けなどを確認します。

床下を覗いた際に、床下の断熱が一部下がっている箇所があったので、潜って直したのですが、そこで去年まで使っていた断熱材の弱点を発見しました。(現在は使っていない断熱材です。)

パネルタイプの断熱材で、床下断熱の場合はこの商品に限らずパネル型の断熱を使うことが非常に多いと思います。

この断熱は「土台伏せの日」に入れるので、いつでもできるというわけではなく、日程的にも作業時間的にもあまり余裕がなく施工せざるをえないのが、この方法で施工している建築屋の現状だと思います。

10.5cmの幅の土台や大引きという木材の上を歩いて、断熱や床の合板を並べていくわけですが、どうしても踏み外したり、靴の先で断熱を押してしまったりする事があります。その時は凹みを当然直すのですが、断熱を支えている金物(かなりペラペラ)が曲がってしまうケースもあるんですね。

そういったことがあるので、潜って断熱材が落ちていないかを確認したのですが、土台伏せの当初は凹みなどなかったものが、日々暮らしていくうちに振動で下がってきたのだと思いました。

金物を曲げて、断熱を元の位置まで戻したのでこれで大丈夫です。全て見直して下がっていたのは一か所だけでした。

そして問題はここから。

施工当時は隙間の無かったパネル断熱材がかなり縮んでいます。実際に5mm以上は痩せて隙間が空いていました。

せっかく潜ったのでウレタンスプレーで隙間を塞いでいきました。まさかここまでの隙間があいているとは・・

パネル系断熱材は断熱材の内部のガスが抜けてだんだんと縮んでいきます。これはパネル系断熱材なら確実に起こります。

パネル系の断熱材は値段は高いですが、性能は良いと思っていたので、ここまで縮んでしまうと、さすがに断熱欠損や結露の発生につながってしまうので、これから定期点検で順次過去のお家も回ろうかと思います。

こういった断熱欠損などないかどうかはサーモグラフィで確認をしています。

サーモグラフィでは今回の床断熱の凹みと隙間が空いていることは確認できませんでした。おそらく隙間が小さいと空気が対流せず断熱性が損なわれにくいのだと思いました。


現在は床の断熱も変わっていますので、断熱性能は良くなっていて尚且つ痩せたり落ちたりすることはないのですが、それ以外にも今回の点検ではこれからの設計に大いに役立つ情報が満載でした。

こうやってすぐに設計にフィードバックして、すぐに改善していけるのも、丸庄建設の強みだと思います!