先日の早朝、大音量で緊急地震速報のアラームが鳴り、ドキッと目が覚めた方も多いのではないでしょうか?またしても能登半島で大規模地震。地震があるたびにこのブログのアクセス数が凄いことになっています。
さて今日は、つい最近に保険会社の方とお話しした際、こんな保険を作ろうと思っています、と相談があり聞いてみると、数年前から私がこんな保険があったら良いのにを形にした保険だったので、火災保険・地震保険について、いつも相談会の時に話すことも含めて書いてみたいと思います。
建築中の地震の被害を補償する保険は存在しない
まず、こんな保険作ろうと思っています、の保険について。
それが、建築途中の地震の被害も補償する地震保険です。
建築中に起きた地震で、建築中の建物が被害を受けた場合、誰がその補修費用を負担するのでしょうか?考えられるのは下記の3パターン。
- 建築会社100%
- 建築会社と施主の折半
- 施主100%
お客様からしたら、引き渡ししていないんだから建築会社が費用負担するのが当たり前じゃないか!と思われる気持ちもわかります。これについては工事請負の時に添付される約款(やっかん)に沿って対処していくことになります。
(不可抗力による損害)
第二十一条
天災その他自然的又は人為的な事象であって、発注者又は受注者のいずれにもその責めを帰することのできない事由(以下「不可抗力」という。)によって、工事 の出来形部分、工事仮設物、工事現場に搬入した工事材料、建築設備の機器(有償支給 材料を含む。)又は施工用機器について損害が生じたときは、受注者は、事実発生後速 やかにその状況を発注者に通知する。2
前項の損害について、発注者及び受注者が協議して重大なものと認め、かつ、受注者 が善良な管理者としての注意をしたと認められるものは、発注者がこれを負担する。3
国土交通省 民間建設工事標準請負契約約款より
火災保険、建設工事保険その他損害をてん補するものがあるときは、それらの額を前項の発注者の負担額から控除する。
そうなると費用の負担は発注者、つまり施主が全額を負担する、と言うことになります。
3項にあるように、我々が加入している工事保険というものは、火災は補償できても、地震による被害や地震による火災については補償することができません。
こう言ったところは建築会社からあまり説明がないかもしれませんが、建築中の地震被害を補償する保険がそもそも存在していない以上、全ての施工会社にもどうにもすることができないのが現状です。
建築中の地震保険もあれば良いのに・・・と言った会話を数年前から契約のたびにお客様と話していたのですが、ようやくお客様が安心できる選択肢を持つことができるようになるかもしれません。
火災保険のランニングコストはびっくり金額
丸庄建設の建物は省令準耐火構造です。省令準耐火構造は火災時に延焼を遅らせることができる家の構造で、この構造の場合は火災保険が一生涯半額になります。耐震等級3だと地震保険も半額です。
まだこれから家を建てる方はあまり気にされていないと思いますが、一般的な30〜35坪の住宅の場合、火災・地震保険は5年で約30万円かかります。水災の補償を外すとかなり安くなりますが、家財や水災の補償を付けると5年で30万円、1年で6万円、1ヶ月で5000円です。
これが省令準耐火構造(耐震等級3)だと5年で15万円、1年で3万円、1ヶ月2500円になるんですね。
ここで、ローンの事も考えてみましょう。
100万円借入金額が増えると大体毎月の返済が3000円ほど増えます。
省令準耐火構造にするのに必要な費用は多く見積もっても20万円(※1)はかからないと思います。
仮に20万円で試算しても毎月の返済相当額は600円ほど。
それだけでも省令準耐火とそうでない建物では毎月1900円も固定費が下がる。
お得で、火災時も安心な構造です。
省令準耐火構造はデメリットもある
一番のデメリットは何と言っても、構造体を表しにすることが出来ないという事。デザイン的に梁や柱を見せたいとなってもそれができないのは、デザインの制約をかなり受けます。
そういう場合は一旦石膏ボードで梁や柱を包んでしまい、その上から木を張ることで対処できます。↓
あとはイニシャルコストは当然上がります。ただ10年以内で確実に回収できます。
もう一つが、空調や換気システムとの相性があるということ。特に壁の中や天井裏の空間を使うシステムの場合は相性が悪く、空気の通り道すべに防火ダンパーという延焼を止める部材をたくさん使わないといけないくなるのでコストや施工難易度が上がります。
実は今、火災保険が変わろうとしています
過去最大の値上げと、水災補償に対する保険料を水災リスクに応じた5段階に細分化するというものが10月から始まります。
自然災害の多発で、保険料も6年間で4度も値上がり。昔は35年一括や10年というスパンで保険に入れましたが、今は5年が最長。今後ますます短くなる可能性もあります。
水災リスクの危険度は岐阜のは残念ながら最高ランクの5となります。
こちらから水災リスクの危険度を表した区分を確認できます。
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/touchi/
これはつまり、岐阜市ハザードマップで被害が想定されていないエリアの人も、危険度区分5の保険料を支払わないといけないということ。
そうなると火災保険の負担は増える人が増え、水災補償を付けない人も増えていきそうです。
ちなみにですが、水災補償をつけている人の方が圧倒的に多いのが岐阜。
https://www.giroj.or.jp/databank/attachment_ratio_flood.html
今後ますます省令準耐火構造のありがたみが増していく世の中になっていきます。
固定費を下げる答えはそんなに多くはありません。
丸庄建設では住んだ後の固定費まで考えて家づくりをしています。
お気軽に無料相談会にご参加くださいね。
完成見学会も開催予定です。もちろん省令準耐火構造です。