ブログを全然書かないうちに、アーカイブの数件下に一年前の誕生日の記事が出ていました。
この一年も、随分と長かったように思います。

42歳を迎え、またひとつ大人の階段をのぼりました。

今年は妻から、TOM FORDのサングラスをプレゼントしてもらいました。

前にサングラスを買ったのは、20年前。
GUCCIのサングラスでした。

だから今回も妻に、
「どうせまた20年以上使うんやろ?」
と笑われながら、買っていただきました。

若い頃は、あれも欲しい、これも欲しいと、ずいぶん背伸びをしてきました。

でも今は、物欲がほとんどありません。
いろんな店に行って、手に取って、見ているうちに、「これ、本当に要るかなぁ」
と思って、そのまま帰ってしまうことがほとんどです。

だから物が増えない。
そして、あまりにも同じものを使い続けるので、家族からはよく「物持ちがいいね」と笑われます。

でも、いいものは時を超えて大切にできるし、使うほどに愛着が湧いてくるものです。
だから、そういう家づくりをする会社にも、自然となっていくのだと思います。

一年前のブログの中で、こんなことを書いていました。

自分の人生の中で最も大切なのは「時間」です。

家族や趣味、仕事、お金や情報。どれも大切なものです。
でも、どんなに立派なことを言っても、それは結局のところ「自分が納得したい」「自分が満たされたい」から。
つまり、すべては自己満足だと思うのです。

そして、それでいいんだと思います。


今この瞬間、どう時間を過ごすか。どう過ごしたいか。

家族との時間。
好きなことをする時間。
お金を稼ぐ時間。

どれも大切に思えるけれど、それらはすべて、自分自身の人生の隙間を埋めるための選択でもあります。

一年前の自分は、「時間が一番大切だ」と書いていました。

今読み返すと、そりゃそうだよな、と思います。
その時は本気でそう思っていたのだから、それはそれで面白いものです。

ただ、今読むと、少し極端だったなとも思います。

以前、経営者の集まりで、
「何のために経営するのか?」
という問いが出たことがあります。

世のため人のため。
お客様のため。
社員のため。
地域のため。

もちろん、どれも本当です。

でも突き詰めて考えると、そう願う自分自身がいて、その自分の欲求を満たすために経営しているのではないか。
そんな話をしたことがありました。

やっぱり人は、自分を満たしたい生き物なのだと思います。

ただ、この一年で少し考え方が変わりました。

最近は、
「自分は人に対して何を与えられるだろうか」
と考えるようになりました。

与える、なんて言うと、少し上からに聞こえるかもしれません。
でも、そういう意味ではありません。

若い頃のように、ただ何かを欲しがる感覚は、もう随分前に終わっているのだと思います。

けれど、欲がなくなったわけではない。
ただ、その欲の向きが少し変わっただけなのかもしれません。

自分が何かを手に入れたいという欲から、
自分が良いと思えたものを、誰かに伝えたいという欲へ。

自分が満たされたいという欲から、
満たされたものを、誰かに還元したいという欲へ。

欲することと、与えることは、反対にあるものではなく、
本当は同じところから生まれているのかもしれません。

自分が本当にいいと思えたものだからこそ、
それを誰かにも届けたくなる。

今日もらったサングラスを、これからまた20年使い続けるように。
本当にいいものは、長く大切にできる。

財布も、カバンも、車も、服も、日常生活のあらゆるものが、質の高いものを選べる時代になりました。

だからこそ、家づくりも同じだと思います。

ただ新しいだけの家ではなく、
ただ安いだけの家でもなく、
時間が経つほどに愛着が湧き、
20年後にも「これでよかった」と思える家。

そういう家づくりをしたいと願う人にこそ、
自分たちが積み重ねてきたものを、きちんと還元していきたい。

そして、そんな家づくりの価値を、もっと広めていきたい。

欲するか、与えるか。

そう書くと、まるで二つが正反対のもののように見えます。

でも今は、そうではないのかもしれないと思っています。

欲して、満たされて、
そして、その先に誰かへ渡したくなるものがある。

42歳になった今、
そんなことを少し考えるようになりました。