家族と財産を
「確実」に守る
家を造る


なぜ耐震性能に拘るのか?

耐震性能に本格的に拘るようになったのは自宅の建築をしてからで、それまでは耐震性に関して専門的な知識もありませんでした。

私は建築の学校で6年学んだのち、2004年から設計事務所で修行を始めました。その頃から壁量は現在の耐震等級2相当で設計を、2014年に丸庄建設を継いでからは耐震等級3相当での設計を始めました。

自宅の建築が始まったのが2016年2月。その頃は耐震等級3も取得しておらず、もちろん私の家も「相当」での計画でした。当時はまだ私が設計と大工もやっており、もちろん自宅も自身の手で全てを作りました。ちょうどその頃は妻のお腹には新しい命が宿り、生まれてくる我が子に健やかに育ってほしいと高断熱性能と、無垢の木や漆喰の壁も取り入れて、これが一つの丸庄建設のモデルになると意気込んでいました。

他の仕事もある中、自宅の工事を徹夜で作業することもあり、寝るか家を造るか、という生活を経て2016年8月に完成したのでした。

テレビや新聞を見る事もなく、スマホさえも触る事なく自邸の建築に没頭しており、同年4月に起きた熊本地震のことは知る由もありませんでした。

その後、震度7クラスの地震に耐えるためには耐震等級3が必須であるとの専門家の見解がより広まり、せっかく建てた我が家が大地震で崩れるかもしれないと、数年経った今でも後悔の念に駆られる事になるのでした。

”私は家族を確実に守る家を作ることができなかったかもしれない”

これから家を建てる人に、こんな悲しい思いをさせてはならない。そう胸に誓い、耐震住宅の研究を独学で始め、耐震等級3の取得をするに至りました。

私たちが本当にやるべき事は、デザイン性の高い家を建てる事でもなく、高気密高断熱の家を建てる事でもなく

「家族と財産を確実に守る家を建てる」

事であると、一つの答えに辿り着きました。それが出来て初めて性能やデザインの話ができるのだと。


生命はもちろん、
家という財産を守る


第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建築基準法

建築基準法では耐震性能の最低基準が定められており、最低基準の1.5倍の強度が耐震等級3です。近年の大地震ではこの建築基準法では想定もされていない揺れ方で、各地で大きな被害をもたらしています。そんな最低の基準を元に考えられた基準で果たして生命や財産を守れるのか?と研究をしていくうちに更なる疑問が生まれました。

研究を重ね、耐震等級3ギリギリでは過去に起きた地震で倒壊までは至らないが、かなりの損傷を受ける可能性が高いという事がわかってきました。

倒壊しないことはわかった。よし、命は守れる。しかしこれは果たして家という財産を守れているのか・・

家という最大の財産を損傷させることは、財産を守るとは言えない、家自体が損傷をほぼ受けなく、地震後でも修繕の必要性がなくなって初めて財産を守れたと言えるのではないのか。

こうして私の研究は耐震に対する一つの答えにたどり着くのでした。

耐震等級3の約2倍の強さ。建築基準法の3倍の強さ。それは耐震等級に換算すると9に相当します。

倍率   等級換算
1.00 = 耐震等級1(建築基準法の最低基準)
1.25 = 耐震等級2
1.50 = 耐震等級3(住宅性能表示制度 最高基準)
1.75 = 耐震等級4
2.00 = 耐震等級5(弊社計画最低基準)
2.25 = 耐震等級6
2.50 = 耐震等級7
2.75 = 耐震等級8
3.00 = 耐震等級9(弊社計画推奨基準)

許容応力度計算を学び、現在では耐震等級3の約2倍の耐震性能を今までとほとんど変わらないコストで実現できるまでに私の研究は進み、2020年、震度7の地震でも損傷をほとんど受けない「無損傷住宅」にまで進化させました。

木造建築において日本全国探して、こんな基準で計画される家はおそらくありません。それでもこれが丸庄建設がたどり着いた答えです。


耐震等級3を遥かに上回る耐震性。

大地震の被害

耐震等級3の約2倍強い構造

丸庄建設では全ての住宅で耐震等級3を取得しています。それだけではなく、地震時にもほとんど損傷を受けない事を基準に設計して、大地震の後でも安心して暮らしていける家づくりをしています。

また、住宅ローンのフラット35sの金利Aプランにも追加費用無しでご利用いただけたり、地震保険料も割引率が最大になるなど、多くのメリットがあります。


許容応力度計算イメージ

全棟 許容応力度計算

許容応力度計算は耐力壁の他に接合部の強さや荷重のかかり方、建物のゆがみ、バランス、上下階の直下率などを考慮して計算する高度な計算技術です。一般的な構造計算のさらに上位の計算方法であるルート2での計算を実施しています。

壁量は耐震等級3の約2倍、建物の強さのバランスを示す偏心率は0.1以下を基準にしています。

大切な家族や財産を守るため、これから住む家がどのくらいの強度があるのか、大地震に耐えられるかどうかを計算書を元にしっかりとご説明させて頂きます。


耐震性能の見える化イメージ

耐震性能の見える化

これから建てようとしている計画中の建物が、震度7以上の地震に何回耐えられ、どのような損傷を受けるのか。日本各地で起きた大地震の実際の地震波で計画建物を揺らすシミュレーションを行い、これから住む家の強さをお客様自身の目でご確認いただけます。

シミュレーションソフトの正確性は実際の振動台実験装置とほとんど同じ結果を得ることができる高度なソフトを使用しています。


衝撃吸収筋交い金物

繰り返しの振動に強く

木造住宅では、複数回の大きな揺れによって建物を支える筋かいが外れたり、損傷する事があります。この場合、建物の耐震性能は急激に低下して倒壊する恐れがあります。丸庄建設の筋交金物は、特殊なスリットが変形をして筋かいの損傷を抑える事によって、建物をよりねばり強くします。


耐震性・耐久性に優れた構造用面材と筋交いの併用

耐震性・耐久性に優れた構造用面材と筋交いの併用

ただ単に耐震性を上げれば良いわけではありません。外周面に面材を張り、モノコック構造として、一定のスパンで耐力壁線をしっかりと面材や筋交いで固める事も重要です。

外周面の面材には一般的な構造用合板の約8倍の透湿性を持っているダイライトを使用し、躯体内結露への対策も行います。


工事現場で設計強度を100%実現したい。

丸庄建設が一番大切にしている事。それは工事現場で設計強度を確実に実現する事。木造住宅では釘やビスが何万本と使われます。特に構造部材の接合部は数百本とビスが使われます。どんな熟練の職人でもミスなく施工する事は不可能です。また、検査する時も釘の打ち損じやビスの空回りといったミスはチェックする事さえできません。

丸庄建設ではドリフトピン工法というビスを使わない構造を採用しており、この工法はドリフトピンさえ金づちで打ち込めば、熟練の職人でも素人でも必ず構造計算通りの結果になる工法でもあります。そしてピンが入っているか、入っていないか、それだけをチェックすれば施工ミスは100%無い構造が出来上がるのです。

左:ドリフトピン工法。部材の切り欠きが非常に少なく、強度を確保しやすい。
右:一般的な木造在来工法。切り欠きが大きく設計強度を実現するために部材が大きくなる。