5年くらい前に「植物を育てるということ」というブログを書きました。が今日はその続編。

最近、新築時に植栽のご提案をモリモリとさせていただいております。今建てている所も含め、この後建てさせていただくお家、みなさん植栽をしっかりと入れていただくご提案でご納得いただいてます。

中には、最初は植栽は全く考えていなかった、そこまでの金額は考えていないかった、などご意見をいただくのも事実です。しかし、施工例や内覧会で植栽の価値に気がついていただけるきっかけをご提供し、お客様の価値観を一新する体験を通して、植物の魅力を伝えられることは大変誇りに思います。

私は子供ができる前から植物は好きでした。

それは今から19年前、まだ建築士として駆け出しの頃のストレスから、自室を癒しの空間にリメイクしていく中で植物の魅力と触れ合ったのが始まりです。もちろん、学生の頃から設計などしておりましたので、建物に植栽が入った図面を描くと「サマになる」という基本的な事は理解していました。が、その時はまだ建築家としてのエゴの領域でした。

自宅を建築したときには子供が産まれていたので、自宅の庭は少しずつ自分で作っていこうかとほんの少し植栽を入れていました。その時のことが冒頭のブログの内容です。

子育てをする中で、植物を育てる事と、子供を育てることは結構似ているなと感じ始め、それは今でも変わっていません。育てなくとも勝手に育つし、育てていると勘違いしていたり、時には元気のない姿を見て心配したり、生き生きとした姿を見て誇らしくなったり、元気をもらったり。そうやってこちらが成長させてもらっている。それが似ていると思うのです。

そして、そこには一方的な愛があるのです。そして自分と共に育つ、そんな素晴らしいことを家づくりに是非取り入れてほしいと思っています。

それと、見た印象もガラッと変わります。単純によりカッコよく、サマになる。どんなにいい外壁を使ってもそこから価値が上がることなどありません。でも植栽は時間が経てば経つほどその鑑賞価値を高めます。


「豊かな暮らし」が何を指すのか、それは人それぞれ違いますが、緑は多くの人にとって豊かさを感じるものであると思います。それは私たちの住む街に、公園に、道路に、商業施設など、人が集まるところには必ず緑はあるからです。そう感じてほしいから緑を計画するのです。

もしそこに緑がなかったら?と考えたことはあるでしょうか。

街路樹の落ち葉清掃除や草刈りに税金が使われ、それがなかったら税金が安くなるとか、もっと別のことができるのでは?という意見もあるかもしれません。だけどそんな街に住めるのでしょうか?暮らせるのでしょうか?

家の集合体が街です。街の景色をつくるのは私たちの家なのです。そこで植栽を少しでも入れて、自分達も満足して、それで街が豊かに、地域が少しでも明るくなれば、私たちの暮らしは少し良くなります。

自分の家を建てるときに他の家を参考にしないことは今の時代なくなりました。

だったら自分の家が誰かの役に立つように、それがネットを通して遠くの誰かのためにならなくても、私たちが暮らす街がより豊かになるのは、子供たちのためになると思います。

そうやって少しでもより良い暮らしが広がっていけばいいですよね。

「暮らしをつくる、より良く暮らす。」

私たちの想いが、少しでも多くの方に届けば嬉しく思います。