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軒と窓

丸庄の姿勢

木繊維断熱材でつくる外断熱+充填断熱「ダブル断熱」の壁と屋根は、12時間も熱を蓄えることができる蓄熱力を持ちます。

その熱は時間をかけてゆっくりと放たれ、室温は穏やかに保たれます。外の気配に乱されることなく、空間と気持ちに“静けさ”が生まれていく。

性能ではなく、空気が心地よいということ。
これが丸庄のスタンダード。

窓は暮らしの質を支えるもの。

窓は、単に光や風を通すための穴ではありません。
それは、暮らしの快適さ・美しさ・豊かさの入口です。

  • 光を届ける:やさしい自然光が、部屋の印象も気分も整えます。
  • 風を通す:計画された通風が、空気の流れと心地よさを生み出します。
  • 景色を切り取る:窓の先に何が見えるかは、日々の気持ちを左右します。
  • 温熱環境を整える:断熱性・遮熱性によって、冬の暖かさも夏の涼しさも変わります。
  • 家の表情をつくる:外観にも、内観にも、窓の存在は美しさを添えます。

丸庄では、これらの役割をすべて意識し、
窓の位置・大きさ・高さ・開き方・その先の風景までを「暮らしの一部」として設計しています。

この考えを前提に、私たちは「軒」と「窓」の関係性を考えます。

深い軒と大きな窓

丸庄の家は、深い軒と大きな窓が象徴的な意匠です。
この組み合わせには、見た目だけでなく機能的な目的があります。

  • 夏:高い位置から差す日射を軒が遮り、室温上昇を抑える
  • 冬:低い角度の太陽光を窓から取り込み、日中の暖房効果を得る
  • 雨の日:深い軒が雨を防ぎ、窓を開けても屋内が濡れにくい
  • 外との関係性:屋内と庭を軒がつなぎ、内外の連続感を生む

自然の力を活かした設計として、室内環境の安定と省エネ性を両立します。

木製サッシのこだわり

木製サッシは、丸庄オリジナルの造作窓です。
現場で大工、建具屋、ガラス屋が一つひとつ手作業で仕上げるこの窓は、性能と美しさの両立を目指したこだわりの賜物です。家の個性を引き出し、住まい手にとって心地よい空間を生み出します。

1. 高い精度の手仕事

木製窓は、すべて手作業で仕上げます。
現場で大工・建具屋・ガラス屋が連携し、精度の高い作業を行うことで、機械では実現できない精緻な仕上がりを実現しています。
その結果、家全体の品質が高まり、窓の美しさだけでなく、性能面でもバランスが取れた設計に仕上がります。

2. 高断熱×高気密

木製窓は、既製品のサッシと比べると性能が少しだけ劣る部分もありますが、その差は僅か。家全体の性能にはほとんど影響しません。窓の性能が家全体の温熱環境に大きな影響を与えることはありません。当然長期優良住宅や各種省エネ申請などに対応しています。

もちろん、気密性にもこだわりがあります。
オリジナル木製窓を使った家のC値は0.3㎠/㎡を下回り、その精度の高い手作業によって、優れた気密性を実現しています。
これは、現場での高い技術と精度が証明する証拠です。

3. 維持管理のしやすさ

窓には、微調整が可能な金物を使用しており、レールや可動部の金物類はすべて汎用品を使用しています。
これにより、窓のメンテナンスが格段にしやすくなり、どんな時代でもすぐに交換や修理が可能です。

“特別なことをしない”というのが、丸庄の姿勢です。
長く使うためには、シンプルで手間のかからない設計が一番だと考えています。

太陽は全ての土地に平等。

敷地に合わせて光をつかまえる設計

どんな土地にも、太陽の光は平等に降り注ぎます。
けれど、その光をどう取り込み、どう活かすかは、設計次第です。

敷地の向きや周囲の環境、季節の太陽の動きまで読み取りながら、窓の配置や軒の深さを最適化して設計します。

それは、その土地に住む人の“美しい日常”のため。

設計とは、光を読むこと。
そして、光の行き先を、美しく導くことだと、私たちは考えています。