一年を振り返ると全然ブログを更新していない・・・
9月に入って69期が終わって振り返りをしないとなぁ、とブログ書かないといけないと思いつつ、もう一ヶ月半。
まずは一年の振り返り。
一年前のブログでは、一種換気の採用と保証期間について変えていこうとしていました。
まずは一種換気についてはsumikaと言う一種換気システムを採用。でもただ普通に使うのに少し抵抗があって、床下空間を給気に使わないsumikaの使い方を考案。これについては空気の流れが逆になるだけで通常のsumikaと機能は同じ。
それよりかは空調の仕方をうまくコントロールできる仕組みを考えたことのほうが大きいです。詳しくはこちらのページで紹介しています。ご興味があれば是非。
長期保証に関しては正直現段階ではなんとも言えないなと。
どう言うことかというと、長期の保証を提供することは書類上は可能だけど、30年後にもし丸庄建設がなかったら?それはお金だけ払って、何も残らないという現実。
どこの会社でもそうだけど、長期保証は数年おきにメンテをして保証を伸ばすのが主流です。もともと考えていたのは35年ノーメンテで保証がつけれることができればと思ったのですが、上記のことも考え、この保証は本当にお客様のためになるのか?と疑問が生まれました。
70年、受け継いできたからこそ会社が長く存続することの難しさも目の当たりにしてきて、なんのための保証かを改めて問う必要があると思ったのです。
結論とすると「長期の保証」は今はしない。
しかし、35年保証を受けれるだけの仕様にはなっていること、あとは丸庄建設がそもそも存続していることが、いつの時代においても、もし何かあったとしても責任持って修繕する姿勢と体制こそ、お客様にとっての真のサービスなのでは?と考えに至りました。
日本で多くの工務店がなくなっていく今、保証料の前払いは「不確かな安心」でしかなく、工務店がある場合に限る、と言う条件付き保証にお金を使うのではなく、本当に必要な時に使える価値ある修繕費として積み立てて欲しいと思ったのです。
そのほかこの一年でトピック的な出来事は、住宅以外の新築を請負うことになったことです。


大垣市にて学童施設の設計・施工をさせていただくことが正式に決まり、来年には本格始動します。
実は話の始まりはもう2年近く前になりますが、住宅以外の仕事をやるのか?と一瞬考えましたが、本当に一瞬。それは元々、子供の教育に関わることがしたいと思っていたこと、また丸庄のブランドビジョン「暮らす」を、最高の歓びにする、という目的が私の中で明確化されていたことが判断の決め手でした。
子供達にとって学童施設というのは小学校でも家でもない、でも多くの時間を過ごす場所だからこそ、ここでの生活がかけがえなのないもので、何よりも楽しい時間であったなら、それは子供達にとっても「暮らす」が、最高の歓びになるのではないかと思ったからです。
ここは民間の学童施設で、先生方も卒業生だったり、その話を聞くと、やはりすごく特別な時間がここにはあるんだと改めて思うし、おそらくこれからここで学ぶ子供たちも大人になって初めてそれが特別で幸せだったんだと気がつくのだと思います。
その特別な記憶の中に、質の高い建物が当たり前であったなら、その子達が家を建てる時には、この時代よりもっと良い価値観を持っていてくれるんじゃないかという期待ももちろんあります。
QOLを底上げする思考そのものや循環を作ることも、本当の意味での社会貢献の一つなのかなと思います。
丸庄の基本性能をベースに、大空間を実現する構造と木質空間は、学童施設という枠を超えて、誰かの記憶に残る居場所になればと思います。
今期70期は超トピックがあるのですが、これも時期が来たらご報告となりそうです。
住宅という物・構造物としての完成度は正直言うと、極めて高いと思います。この数年、単純な断熱や耐震といったわかりやすい性能はもちろん、壁や屋根の下地、基礎一体打ちの精度や仕上がり向上、ドリフトピン工法の金物強度向上など、見えないところの仕様を突き詰めてきました。
でもそれも我々の自己満足であってはいけないからこそ、その意味を正しく伝え、選んでいただけるよう発信する努力をもっとしないとなと思っています。
もう一つ、木繊維断熱材を使い始めたことも超トピックでした。
設計がガラッと変わりました。特に構造の考え方。
断熱材を何使うかで屋根断熱・天井断熱、付加断熱はどう施行するかなど変わります。そうなると構造から変えたほうが都合が良かったりします。
具体的には登り梁をメインにした組み方。これは構造計算のソフトの特性上、すごくやりにくかったのですが、うまく解決できる方法があったので、今は基本登り梁で設計するようにしています。
そうなると自然と勾配天井になるし、見た目も結構変わります。
構造美が引き立つ設計だと、自然と和の要素が入ってきます。でもそれがまた「詩家」というコンセエプトと相性がいいのかなとも思います。
今期は学童施設を無事に完工することが一つの目標となります。
木繊維断熱材の家もまた一件、建てさせていただくことになりました。今建てている家も是非体感してもらいたしですし、そういった家づくりがあることを、もっと発信することも、今期注力したいと思います。
「暮らす」を、最高の歓びに。
この言葉を皆さんと共有していきます。
大きく変わることはないけど、こつこつと、確実に。